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西武池袋本店リニューアルプランを推測してみる。

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「ついに大量閉店が始まった」

6月某日に西武池袋本店(以下一部で「池袋西武」と呼びます。)にこのフロア案内が張り出されたときには率直に、「いよいよ始まったか」という感想を持ちました。

西武池袋本店に貼られたフロア案内図。中央・北エリアの大部分に営業終了の文字が見える

2023年8月31日。ニュースでも1962年の阪神百貨店以来、約60年ぶりと報道された、百貨店のストライキが、西武池袋本店で行われたことは、記憶に新しい方が多いと思います。

2022年11月11日、池袋西武を運営する株式会社そごう・西武のグループ親会社であるセブン&アイ・ホールディングスが2023年2月付けでそごう・西武を、アメリカの投資ファンドであるフォートレス・インベストメントに売却することを発表しました。その後複数回の延期を経て、2023年9月1日、前日に行われたストライキの甲斐なく、売却が正式決定されました。

この売却が注目された理由は、フォートレス・インベストメントがビジネスパートナーとして、ヨドバシカメラの持ち株会社ヨドバシホールディングス(以下では一部でヨドバシHDと呼びます)を指名し、池袋西武の不動産をヨドバシホールディングスに売却するのではないかということが、事前に報道されていたからです。

「この買収が実現すれば、池袋西武はヨドバシカメラになる」。それがいいことかどうかはおいておいて、池袋東口に大変革が起こることに注目が集まったのです。

2024年6月、ついにそごう・西武からプレスリリースの形で池袋西武のリニューアル改装に関する声明が発表されました。それまで2023年11月に「トッズ」、2024年1月に地下の食料品売り場「ザ・ガーデン自由が丘」が閉店するなど、着々とリニューアルへの道を歩んでいましたが、この声明で初めて、池袋西武が最終的にどのような形態に落ち着くのかの概略が示されたことになります。

情報2009年の合併をもって、西武百貨店という名称は消滅しており、百貨店の名前は単に西武となっています。よって西武百貨店池袋店ではなく、西武池袋本店が正しい名前です。また、「イケセイ」とは池袋西武の愛称です。

池袋西武のリニューアル宣言

池袋西武のリニューアルプランは、そごう・西武からプレスリリースの形で2024年6月10日に発表されました。

A4相当の誌面2枚の簡素な発表ですが、「西武池袋本店、"新しい百貨店へ"」と題されたリリースには、今後の池袋西武の姿の一端が垣間見えました。

6月10日に発表されたプレスリリース。"新しい百貨店"という言葉が目を引く

西武池袋本店は残る

まず、「そごう・西武は、新株主のもとで事業戦略を再構築し、西武池袋本店の本格的な改装工事に着手します。」とあるように、池袋西武は存続します。これは事前に報道された、新経営陣からの撤退や閉店をしない旨の意向等[1]と矛盾せず、特段驚きはありません。

ただし、出店形態が変わります。これまで西武百貨店は、建物がある土地は、JRや西武ホールディングス(西武鉄道系持ち株会社: そごう・西武と資本関係はない)から借りていたものの、建物本体は自前の不動産でした。しかし、今回の買収直後に建物などの不動産はヨドバシHDに売却されているため、今後は建物の1テナントとして、池袋西武が現在の建物に入居する形になります。

建築デザインコンセプト

今回のプレスリリースでは、リニューアル後の建築デザインコンセプトと題して、大まかなフロアプランが掲載されていました。

【出典】そごう・西武プレスリリース : リニューアル後の建築デザインコンセプト

プレスリリースには、現在の池袋西武の建物にヨドバシ直営店が入ることによって、池袋西武が縮小することが明言されていたわけではないものの、店舗概要として、以下が書かれていました。

■店舗概要

・オープン予定 :2025 年 1 月から段階的に実施
・売場面積 :約 48,000 ㎡
・ショップ数 :約 380 ショップ予定

現状の売り場面積が88,000㎡(平方メートル)程度ですから、ほぼ半減することになります。