池袋西武、君には期待してるぞ
そごう・西武のプレスリリースは、最後このように締められています。
ライフスタイルの多様化に合わせて、百貨店も進化を求められる時代を迎えました。従来の百貨店がも つ優れたサービスを残しつつ、お客さまのニーズに合わせた新たな価値を提供する、“新しい”西武池袋 本店にご期待ください。
分かりました。期待しましょう。
今回のヨドバシカメラ出店に伴う、池袋西武のリニューアル改装は、池袋西武が望んでいるものではないかもしれません。
日経リサーチの「首都圏商業施設の集客力ランキング(2023)」によると、池袋西武は首都圏の商業施設で集客力2位。1位のルミネ新宿には大差をつけられたものの、3位伊勢丹新宿店、6位銀座三越などより集客力が高いことが分かります。全国百貨店売上高ランキングを見ても、2022年度の売り上げで1,768億円で、伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店に続いて3位です[7]。
情報2023年度からそごう・西武は、池袋西武のリニューアル改装に伴い、これまでの売り上げと比較することが困難であることを理由に売上を当分の間、非公開としたため、2022年度の情報を取り上げています
このようなランキングを誇るのにも関わらず、売り場の大部分を失う形でのリニューアルが行われることになってしまったことに、率直に寂しさと大切なものを失うのではないかという危機感を感じます。
しかしながら、百貨店、特に私鉄系百貨店が安泰な業種であるかと言われればそうではありません。最近の事例では、大手私鉄百貨店の本店が再開発で閉店したり縮小したり、あるいはそれらが計画されるケースが多くみられます。渋谷駅再開発では、東急渋谷本店や東横店が、新宿駅再開発では小田急百貨店の旧本館が閉店したり、京王百貨店の新宿店が解体される予定であったりしますが、そのいずれにおいても、再開発後の新ビルに百貨店が再入店するか不明であったり、する場合であってもその規模が縮小されたりする場合が多いです。また、前述した東武百貨店も池袋駅西口再開発に伴い、現在の建物が取り壊され新ビルに再入居する予定ですが、現在のままの規模で再入居するとは考えにくいとの指摘もあります。
ECサイトやファッションビルなどといった新しい小売り業態の出現によって、長期的にみると、年々店舗数、総売上高ともに減少する傾向にある百貨店ですが、池袋西武を含めた西武・そごうがこの流れに抗うための第一歩となるようなリニューアル改装になることを願っています。特にヨドバシカメラは日本で一番勢いのある家電量販店です。ヨドバシカメラと池袋西武が同じ建物に入居する、その相乗効果・シナジーで、池袋西武がより活き活きとした百貨店に戻るのではないかといった期待もしてみたいと思います。
今回は、2024年6月10日に発表されたそごう・西武によるプレスリリースや一部報道などをもとに、リニューアル改装後の池袋西武の姿を想像しました。
7月11日 - 現状を鑑み、一部フロアプラン予想を変更しました。